経済状況
(1)メキシコは1990年代前半にAPEC参加(1993年)、NAFTA発効(1994年)、OECD加盟(同年)を実現。1994年12月に通貨危機が発生。その後、深刻なリセッションを経験するも、危機を境に生じたペソ安により貿易収支が黒字に転化。GDP成長率1996、1997年は5%超の高成長を記録。1999年及び2000年には、好調な米国経済と石油価格高騰を背景に輸出が拡大。
(2)近年の実質経済成長率は、2007年には米国経済の悪化を受けた自動車など輸出製造業の不振等の影響で3.3%、2008年は1.2%と低下。2009年は、世界的な経済危機の影響により、-6.2%となったが、2010年は5.5%に回復。2011年及び2012年は3.9%となった。
(出典:外務省)
日系企業進出の目的・メリット
- ◯メキシコの人口は1億人強とブラジルに次ぐ中南米の大国。1人当たりの名目GDPは、2012年10,247米ドル。
(但し、貧富の差が激しく、実態は5,000〜6,000米ドル程度)。 - ◯政治・経済も安定(Moody’s:A3/S&P:BBB+(2014/2))。
- ◯米国・カナダとNAFTAを形成し、巨大北米市場の生産拠点としての役割担う。
- ◯世界45カ国とFTA(自由貿易協定)を締結する“FTA先進国”。貿易拠点として有望。
- ◯原油生産量世界7位、銀生産量世界2位、モリブテン生産量世界5位、鉛生産量5位、亜鉛生産量7位。
日系企業の進出動向
- ◯進出日系企業は約700社。昨年1年間で約130社が新規進出。
- ◯自動車部品を中心に、在米アッセンブリーメーカー、一次部品メーカーへ納入を行う部品製造の企業進出・増設が多い。欧米系自動車メーカーも自動車生産拠点を有す。
- ◯日墨EPA(経済連携協定)の発効に伴い、輸入車販売を目的とした日系自動車販売会社の進出あり。
- ◯人件費メリットを活かして、保税加工等を行う「マキラドーラ企業」(米国国境近辺に多い)に加え、メキシコでの現地調達率の向上を図る目的のため、自動車関連の中堅中小企業の進出が増加。
- ◯商社を中心としたエネルギー関連投資が期待される(2014年にエネルギー改革)。
現地における当行のステータス・強み
- ◯メキシコBTMUは邦銀唯一の現法形態拠点。ペソ建て・ドル建て双方の地場貸出に加えて、両通貨での預金サービスも提供している(日本語対応可)。メキシコ進出企業の多くと取引があり、メキシコBTMU口座間の資金移動は手数料無料となっている。地場CMSもあり、資金決済サービスの提供も可能であり、国内外決済機能は地場銀行に遜色なし。
- ◯商業銀行業務の他、油田・発電など資源ビジネスのプロジェクト・ファイナンス等への対応も米国拠点と協働でフォローしている。
(※2014年6月現在)
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国土は日本の5倍、標高2,240mという高地のため酸素も薄く、電気や水道、道路が突然不通になることもあり生活は大変です。また治安も決して良いとは言えません。日本の生活がいかに安全で便利かがわかる。そんな日本とはひと味違ったメキシコ生活を私は楽しんでいます。プライベートではメキシコでも趣味のサッカーを続けており、また多数ある世界遺産への旅行などを楽しむ機会はたくさんあります。 仕事では、メキシコは南米ブラジルと並んで近年注目を浴びており、安価な労働力を武器に、隣接するアメリカへの自動車等の生産輸出基地としての役割を果たすほか、新たな消費マーケットとしても期待されています。メキシコにおいて、メキシコ三菱東京UFJ銀行は17年の歴史があり、アジア系としては唯一フルバンキング業務ライセンスを保有しています。日系企業のお客さまがメキシコ進出を検討する際には、まず最初にご相談頂けるのが当行であり、当地進出後も、安心してお取引していただけるよう日々努力しています。
従業員約90名のうち日本から赴任している行員は9名に過ぎません。私の部にはメキシコ人の同僚が13名いますが、言葉のハンデがある中で彼らとのコミュニケーションがうまくいくように常に試行錯誤しています。約1年間メキシコでの海外業務を経験し、強く感じたのは「言葉はあくまでも道具でしかない」ということです。私は言葉のハンデを理由にコミュニケーションを避けていた時期がありました。今思い返してみると、その時期は仕事が思うように進まず、また自分への仕事の負担も大きく、失敗もありました。 特に海外では、文化の違いも含めて相手の話をよく聞き、考えに共感し理解すること、その上で論理的に意見することが重要です。それ以降は、言葉が通じるかどうかよりも、試行錯誤しながら伝えたいことを一生懸命伝えることを大切にしています。そして、彼らの意見や仕事を尊重し、チームで仕事をすることで更なる成果を上げることができるのです。
海外赴任生活はより現地の人々と関わり合うことで、文化や生活を勉強でき、新たな発見を得る貴重な経験です。また、自分自身を見つめ直すことができる貴重な機会でもあるのです。