経済状況
2007年まで豪州経済は堅調に発展してきたが、2008年の世界的経済の減速、国際金融市場の混乱の影響等により減速傾向で推移し、同年10-12月期には、前期比でマイナス0.5%と8年ぶりのマイナス成長を記録した。こうした状況に対応するため、豪州準備銀行(RBA)は2008年8月に7.25%であった政策金利を3.0%(1960年以降の最低水準)まで段階的に引き下げ、豪州政府も104億ドルに上る年金給付増、住宅取得支援策等を中心とする経済対策を発表した。これらの緊急経済対策とアジア新興国(特に中国、インド)を中心とする豪州産天然資源(鉱産物・エネルギー)への需要増加等により、豪州経済は欧米諸国ほど深刻な打撃は受けず、その後は一貫してプラス成長を維持した。2010/2011年度のGDP成長率は2.0%、経済回復を受け、政策金利も4.75%(2012年11月)まで段階的に引き上げられたが、欧州債務危機及び資源ブームの減速による景気減速を受け、2013年8月までに2.5%まで引き下げられている。
(出典:外務省)
日系企業進出の目的・メリット
- ◯人口約2,290万人。一人当たりGDP6.7万ドル。先進国でありながら、移民により人口増加傾向。
- ◯世界有数の資源国として、天然ガス・鉄鉱石・石炭等の資源投資が活発。農業資源も豊富。
- ◯第三次産業のウエイトが75%を占める先進国型の産業構造。
- ◯PPI(民間の活力を利用したインフラ投資)も進んでいる金融先進国。
- ◯政治・経済の安定性、一人あたりの消費購買力も高い成長市場であり、消費市場狙いのM&Aも活発。
日系企業の進出動向
- ◯商社・鉄鋼・電力・ガス会社の権益投資がピークを迎えつつあり、今後、資源投資は緩やかに減少の見込み。
- ◯国内消費市場(飲料・消費財等)狙いのM&A(近年、本邦大手ビールメーカーによる事例あり)が活発。
- ◯品質の高い食品製造が可能であり、アジア市場への供給拠点として注目度が高まっている。
- ◯一人あたりの消費購買力が高いことから、近年外食業、小売業の進出が増加傾向。
現地における当行のステータス・強み
- ◯シドニー(支店)のみならず、メルボルン、パース(2012年4月開設)に出張所有り。ニュージーランドではオークランド支店を保有しており、オセアニア拠点網は他行比充実。
- ◯進出邦銀の中では最古参。邦銀では最大のディーリングルームを設置している他、投資銀行業務の取引実績も豊富。また、決済サービスについては、GCMS(ローカルユース)の提供が可能となっている。
(※2014年6月現在)
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豊富な天然資源の輸出と移民受入による人口増加、そしてそれに伴う社会インフラ整備、住宅投資等、金融危機下も豪州経済はプラス成長を維持し、力強く安定した成長を続けてきました。 このような活力ある経済とともにシドニー支店もここ数年で急速な成長を遂げてきました。パースへの新規出店、プロジェクトファイナンス専門部署の新設、豪州市場での起債等、成長し変化し続けるお客さまのニーズに対し、「当行として何が出来るのか」という視点のもと業務の幅を拡大。当地の経済発展に貢献しているという充実感とともに、支店では「次はどんなサービスを提供していけるのか」という前向きな議論が日々行われており、活気で溢れています。
私は7年間のシンガポール支店での勤務を経て、シドニー支店に着任しました。その頃、私が担当する非日系企業向け取引では、当行は豪州4大銀行に次ぐ外銀トップの地位にあり、次の一手として、従来の安定的な資金供給(=貸出取引)に加え、新たなビジネスモデルの展開が必要な段階となっていました。今まで非日系法人営業の経験もなく、オーストラリアのマーケット状況も初めてである私にとって、「次の一手」は非常に難しい課題でしたが、まずは自分ができることとして「シンガポールでの7年間の勤務経験、及びそこで培ったネットワークを活かすこと」に専念しました。定期的な勉強会の開催、他店での成功事例の共有、商品導入に向けての手続制定等々、現地の営業スタッフや各専門部隊、海外他拠点等、多くの部署からのサポートも得ながら、結果、貸出取引に次ぐ、新たなビジネスとして、当地でのコモディティヘッジ取引導入に成功、お客さまの評価も得るに至りました。
「金融」は万国共通のものであり基本原理は同じ。職務が変わっても、国が変わっても、言葉が変わっても、自らの経験を組み合わせれば、必ずチームに貢献できる何かがあることに改めて気づかされました。
また、そのような個人が国籍を越え様々な経験と知識を持ち合わせて集い、ひとつの目標に向かって進んでいる。当行の強さを感じた瞬間でもありました。シドニーでの勤務で学んだ経験と新たな仲間は、私にとってかけがえのない財産となるはずです。そして、彼らにとってより頼もしい仲間となれるよう私も頑張っていきたいと思います。