INTERVIEW

小林 優浩

MASAHIRO KOBAYASHI

資金証券部 外貨ALM操作Gr

2010年入行

小林 優浩
  1. 2010
    高田馬場支店・支社
  2. 2013
    金融市場部 為替Gr
  3. 2014
    資金証券部 外貨資金証券Gr
  4. 2017
    資金証券部 アジア資金証券Gr(在シンガポール)
  5. 2020
    資金証券部 トレジャリー統括室
  6. 2022
    資金証券部 外貨ALM操作Gr

MY JOB

資金証券部外貨ALM(※)操作グループで、市場商品を活用して、当行のバランスシートが内包する外貨の金利リスクをコントロールしつつ、収益の極大化に取り組んでいます。具体的には、米欧国債やアメリカの住宅ローンを証券化したモーゲージ債への投資、およびそれらのポジションをヘッジするデリバティブ商品やファンドの操作執行に尽力しており、運用規模は10兆円に上ります。中央銀行による金融政策・各国の経済情勢・主要投資家の動向・各国国債やモーゲージ債の需給など、あらゆる観点から相場の材料を分析し、チームで協力して投資戦略を立て、世界の投資家がしのぎを削るグローバル・マーケットで日々闘っています。
※ Asset Liability Management:資産と負債のリスクとリターンを総合的に勘案して管理しながら収益の極大化を図っていく経営管理手法。

小林 優浩

冷静な論理の展開と相場への熱い情熱で、投資戦略を構築する。

バランスシートをチームで戦略的に運営することで、MUFGを中長期的に支える

私は、アメリカで育った幼少時代に、「この広い世界における自分のアイデンティティは日本人である」ということを強烈に意識させられてきた経験から、将来はグローバル社会において日本のプレゼンス向上に貢献できる仕事に就きたいと考えるようになりました。私が就職活動をしていた15年前、リーマン・ショックによる大幅な円高の影響で日本の輸出産業が苦戦している姿を見て、「金融マーケットで尽力することを通じて日本の企業のビジネス活動をサポートすることができるのではないか」と感じ、特に外国為替市場でトレーダーとして働くことに興味を持ちました。邦銀の中でも圧倒的な為替の取引量を誇る当行であれば、マーケット業務を通じて日本経済の発展に大きく貢献できると考え、当時の三菱東京UFJ銀行に入行を決めました。
現在の私の仕事は、銀行の外国債券ポートフォリオの運営です。ALM業務に携わるまでは、トレーダーの仕事は相場において個人としての勝ち負けを追求するのみだと思っていました。しかし、私が所属する資金証券部外貨ALM操作グループでは、チーム全体で分析・議論した投資戦略をもとに、外国債券への投資やヘッジオペレーションに取り組みます。バランスシートに内包されている金利リスクや流動性リスクを総合的に管理しながらポートフォリオを構築することによって、脈々と続く当行のバランスシートを次の世代につないでいきます。自分たちの投資戦略が正しかったかどうかは、マーケットの値動きを通してバランスシートの損益としてダイレクトに反映されます。勝ったときには、より再現性が高く効率的に勝つ方法はなかったか、負けたときには、どんな材料を見落としてしまったのかを、チーム全員でしっかりと反省し、次の投資戦略の策定に活かしていきます。個人としての勝ち負けを追求するにとどまらず、チーム一丸となってバランスシートを大きく動かして銀行に貢献する今の仕事には、大きなやりがいを感じています。

世界中の市場関係者に対して、バランスシート運営の説明責任をしっかりと果たす

私が従事しているALM業務、すなわち銀行の資産(Asset)と負債(Liability)の総合管理(Management)とは、まさに銀行経営そのものです。銀行のバランスシート運営において、どのような形で安定的に資金を調達し、どのような形で収益を求めて運用していくべきなのか、スピード感を持ちつつも丁寧に検討したうえで、経営層とも熱い議論を繰り返します。日々の業務の中で、一段高い経営者の視点で銀行のバランスシートについて真剣に考える機会に恵まれていることは、この仕事の大きな魅力だと感じています。
また、ALM業務に携わると、当行が国内外の市場関係者からの注目度が高いことにも気づかされます。自分たちの運営の大きな方針から小さなオペレーションまでの一つひとつを丁寧に説明する責任を果たすことは、マーケットの透明性を高めながら当行の企業価値向上につなげる非常に重要な仕事です。全行的な企画戦略を担う部署やグローバルにリスク管理を担う部署との議論や、ほかの市場参加者との適切な場を通した意見交換なども踏まえて、説明力も兼ね備えた銀行としての最適解を追求しています。
私たちの使命は、バランスシートの収益性を高めることでの銀行財務運営に毎期貢献するとともにその健全性も向上させることで中長期的かつ全体最適を考えた銀行経営の基盤を構築することです。顧客部門や企画戦略・リスク管理部署が志向する銀行ビジネスの方向性も考慮しながら、いかなる経済情勢・金融環境にも対応できる要塞のようなバランスシートを次の世代に渡していきます。

論理性を思い切って飛び越えて、相場の情緒的な思惑を感じることも大切にする

マーケットでポジションをとって安定的に銀行の収益につなげるうえで、ロジカルにアプローチすることは必要不可欠です。一方、真剣に相場に対峙すればするほど、論理性だけでは勝つことができないことも痛感します。マーケットの無慈悲な値動きの中で、恐怖と欲望から完全には逃れることのできない大多数の市場参加者の脈動を感じ、さまざまな変化に常に対応できる冷静さも保ちながら、その情緒的な思惑を読み解きつつ、魂を込めてポジションをとることも、ときには大切だと考えています。そうした、「冷静さを失わない自分」と「情熱的に心を燃やす自分」を局面に応じて使い分けるバランス感覚を磨いていきたいです。
私たちの業務は、世界中の投資家と対峙するため、柔軟かつ強靭なチームワークが欠かせません。チームには多様な考え方を持ったメンバーが在籍しており、マーケットについて分析したり議論したりする過程で、お互いの知見や感性を高め合うことができる恵まれた環境があります。私自身も、役職や年次に関係なく、役員から若手までさまざまなメンバーと意見を交わし、自分が持ち合わせていなかった知見や感性を謙虚に吸収する柔軟性を常に意識しています。これからも、ほかのメンバーとフラットな関係の中で切磋琢磨しながらチーム全体の力を着実に引き上げ、グローバルなマーケットにおいてプレゼンスを発揮すべく、本邦を代表する金融グループの一員として、当行のバランスシート運営を一段と昇華させていきたいと思っています。

小林 優浩