MUFGのサステナビリティ経営の現状
グローバルに事業を展開するMUFGは、SDGsの目標達成に向けて大きく動く世界の潮流をしっかりと見据え、「持続可能な環境・社会がMUFGの持続的成長の大前提である」との考えに基づき、事業運営に取り組んでいます。昨年には、SDGs やパリ協定などの国際社会の目標と整合した事業活動を銀行に促すことを目的に策定された責任銀行原則(PRB)にも発足と同時に賛同。国際的なイニシアティブへの参画なども通じて、「世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループ」をめざし、サステナビリティ経営を推進しています。
2019年5月、MUFGは日本の金融機関として初めて、サステナブルファイナンスの長期目標を設定しました。「環境分野」では再生可能エネルギー事業向け融資、グリーンボンドの引受・販売などに、「社会分野」ではスタートアップ企業の育成や雇用の創出、貧困の改善に資する事業へのファイナンスなどに積極的に取り組んでいます。2019年度から2030年度までの累計20兆円の目標に対し、初年度の実績は3.7兆円と順調に推移。2021年度には目標額を35兆円へと約1.75倍に引き上げました。
また、サステナブルファイナンスの長期目標設定に合わせて、環境・社会配慮を実現するための枠組みとして「MUFG環境・社会ポリシーフレームワーク」を定め、新設の石炭火力発電所へのファイナンスは原則として実行しないことなどを表明しました(2021年4月に改訂。新設に加え、既存発電設備の拡張にもファイナンスを実行しないこととしました)。
さらに、2019年10月には「グリーン/ソーシャル/サステナビリティボンドフレームワーク」を新たに策定しました。これは従来のグリーンボンドフレームワークを拡充し、資金使途の対象となる適格カテゴリーをグリーン分野のみならず、ヘルスケアや教育、雇用創出・維持、公共住宅支援といったソーシャル分野のプロジェクトにも広げたものです。2020年5月には資金使途に新型コロナウイルス感染症対応関連も追加しました。
このフレームワークのもと、2019年12月、日本の民間金融機関では初となるソーシャルボンド9000万米ドルを発行したほか、2020年6月には新型コロナウイルス感染症対応関連の資金使途を含むサステナビリティボンド5億ユーロを機関投資家向けに発行、発行代わり金(社債を取得した投資家が払い込む資金)を銀行を通じて適格グリーン・ソーシャルプロジェクトへの融資に充当しています。
MUFGではこうした金融機能を通した取り組みはもとより、自社の活動においても環境・社会課題解決に積極的に取り組んでいます。2030年度を目標に自社調達電力の100%再生可能エネルギー化をめざし、2019年はCO2を排出しない水力電源のみを用いた電力メニューを邦銀として初めて導入。東京丸の内の銀行本館ビルで使用する全電力を再生可能ネルギーに切り替えました。