SCROLL

正木 綾香

デジタル企画部
2007年入行

オープンAPIを積極的に進め
フィンテックの未来を拓く。

01

「Fintech Challenge」で開始した
オープンイノベーションの取り組み

私は自分で企画してものをつくっていくことに関心があり、大学で学んだ数学や論理的な思考を活かして、デジタルの領域で新たなサービスや商品を企画・開発する仕事に就きたいと思っていました。特に金融業界を志望していたのではありませんが、誰にとっても身近で、世の中に対するインパクトが大きなものと考えた時、浮かび上がってきたのが当行でした。
最初は支店の営業補佐として銀行業務の基本を覚え、その後システム部に異動。インターネットバンキングの開発担当としてシステム統合の推進に携わったほか、スマートフォンアプリ化対応などの業務に就きました。その後、ITを活用した新たなサービスの企画を担いたいと考え、社内公募制度を利用して、現在のデジタル企画部の前身であるIT事業部に異動しました。そのとき私が強く思っていたのは、スピード感をもってお客さま起点のサービスをつくりあげるためには、銀行の中だけで考えていてはだめだということです。主にベンチャー企業から先進的な技術やビジネスモデルに関するアイデアを広く募集し、新しい金融サービスを一緒につくり上げていくため、当行主催の「Fintech Challenge」を企画しました。銀行によるオープンイノベーションの試みとしては日本初となるものです。2015年に第一回を開催、予想を超える応募がありました。また、多くのアイデアが集まりさまざまなベンチャー企業との出会いも生まれ、確かな手応えを感じました。しかし「Fintech Challenge」は、アイデアを競うイベントです。アイデアを実際のサービスにつなげるにはどうするか、「オープンAPI」への積極的な取り組みが必要だと感じました。

02

APIを公開することで
フィンテックの新展開をリードする

APIとはApplication Programming Interfaceの略で、アプリケーションを呼び出す接続仕様のことです。当行の機能をAPIとして積極的に公開し、外部企業が当行の技術やアイデアと組み合わせて新サービスを展開できるようにする――オープンAPIを積極的に進めることがサービスの開発につながると考え、2回目の「Fintech Challenge」を、外部企業が当行のAPIを利用したサービスアイデアを競うハッカソン※1として開催しました。開発用の限定的なものとはいえ、銀行がAPIを外部に提供するのは例のないことです。さらにその後は、法人向けインターネットバンキング「BizSTATION」のAPIを実際に外部企業に提供、新たな法人向けサービスをスタートさせました。これは例えばクラウド会計ソフト上で請求書や立て替え払いの領収書を撮影するだけで、当行のインターネットバンキング口座への振込依頼が自動的に行えるというものです。また、口座への入金があれば、該当する会計ソフトの項目の消し込みを自動的に行うこともできます。経理業務を大幅に効率化するものとして大きな反響を呼びました。

  • ※1
    ハッカソン:特定の開発テーマのもとで、ソフトウェア開発分野のプログラマーやデザイナーが集い、1日から1週間程度の短期間で作業に打ち込み、アイデアや成果を競うプロジェクト・イベント
03

まずはスモールスタート。
修正しながら大きく育てる

銀行が持っているリソースは、口座の入出金情報だけではありません。またMUFGは、信託銀行や証券会社、リース、消費者金融、カード・信販、ネット銀行やネット証券などさまざまな業態を担い、多くの情報を持っています。これらとベンチャー企業のアイデアをいかにつなぎ、魅力あるサービスをつくり上げていくのか、可能性は無限に広がっています。どのようなAPIが求められているのかを考え、起案し、プロジェクト化して開発する。同時に、魅力的なパートナー企業を探し、協働しながら新たなサービスをつくりあげていく。銀行として未踏の領域に踏み出していくことのおもしろさを感じます。もちろんAPIはただ公開すればよいというものではありません。特に金融機関として保有する情報には利用者保護のための高度なセキュリティが求められることから、当行だけでなくパートナーとなる企業の信頼性をいかに担保するのかも非常に重要です。他方、事業会社として当然ながら利益の追求も必要であり、パートナーとWin-Winとなるビジネスモデルの確立も並行して行う必要があります。このように、多くの検討事項・課題がありますが、最初から完璧を期すことはできません。まずはスモールスタートで、段階を追って修正をしながら大きくしていくという発想が必要だと思っています。

04

守りながら信念を持って
大胆に攻めていく

銀行には長年の業務を通じて培ってきた信頼・信用があります。これは確実に守らなくてはなりません。守らなければならないものと攻めるべきもの――2つを共存させることは簡単ではありませんが、守りにとらわれるあまり、ひとつのアイデアを3年後5年後に実用化しても、多様なサービスが次々と創出される昨今において、時代錯誤となりかねません。新しいことに取り組むためにはスピードと突破力が必要であり、そのためには守るか攻めるかの二者択一ではなく、両方を高い位置から俯瞰し、そして先見性を持たなければならないと思います。
決まった答えはなく、プロセスに「正解」があるわけでもありません。日々模索しながら、スクラップ&ビルドを繰り返し進めていく。クリアに見通せないからといって立ち止まるのではなく、やるべきだと信じて進む――その先にフィンテックの大きな可能性と未来があると信じています。

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