SCROLL

宮下 博樹

ストラクチャードファイナンス部
プロジェクトファイナンス室 (取材当時)
2005年入行

自分なりの付加価値を追求すること
それこそが、ビッグプロジェクトを前進させていく力になる

新しい事業を生み出す
国家的プロジェクトに携わる。

01

途上国で始まったペトロケミカル関連プロジェクト

特定のプロジェクトから生み出されるキャッシュフローのみを返済原資としたプロジェクトファイナンスは、多額の資金が必要とされるビッグプロジェクトに用いられる金融手法の一つです。具体的には、石油・ガス等の資源開発、電力、鉄道等のインフラ整備といった大型かつクロスボーダーの案件が中心となっています。当行は世界中にあるインフラニーズに応える体制として、東京、ニューヨーク、ロンドン、シンガポール、香港、シドニー等に拠点を配し、プロジェクトファイナンスの主幹事行としてトップクラスの実績を誇っています。
私は資源に関連したプロジェクトファイナンスの案件組成(オリジネーション)を担っています。石油・ガス、マイニング(鉱山)をはじめとした上流開発から、LNGプラント、ペトロケミカルプラントなどの中流(精製・加工)セクター、そしてLNG船といったトランスポーテーション(輸送)の分野まで幅広く担当しています。
私が手がけた案件の一つに、ある途上国におけるペトロケミカル関連プロジェクトがあります。これは、化学製品を精製するプラントを建設するというもの。スポンサーは、現地の国営公社や日本の総合商社、化学メーカーなど。プロジェクトファイナンスというのは、新たに一つの事業をつくりだすことになるので、利害関係者は時には数百人単位に上ります。この案件でも関係当事者が多く、全員が満足のいく内容で案件を組成することが私の課題でした。
特に印象深かったのは、片道十数時間かけて先方の国に何度か飛び、粘り強く交渉をしたことです。現地の省庁や国営公社との交渉では、最初から落としどころを探すという雰囲気ではなく、大変厳しい要求が次々に出され、難航を極めました。彼らには彼らなりのビジネス、商慣習があり、文化や人種の違いだけでなく、一国を担っている自負もあります。ビジネスとして最良の着地点を探しているので、意見が対立することも多々ありました。想像を上回る、厳しい交渉でしたが、多数の関係者の想いが詰まったプロジェクトを実現させたときは、大きな充実感と醍醐味を味わいました。

02

リスクを見極め、「スパイス」という付加価値を残す

この案件における交渉で、重要なポイントだったのは、リスクをどう捉えるかという点です。事業を始めるにあたって、そこには多様なリスクがあります。そのようなリスクを一つひとつ分類・分析していくわけです。明らかになったリスクを誰が負うのか、あるいはどうすれば負うことができるか、という点が交渉のハイライトでした。プロジェクトファイナンスの世界では、リスクの取り方にこそ、真価が問われます。意識していたのは、交渉の中で「No」と言わないこと。「No」と言うのは簡単です。しかし、彼らが期待しているのは、そういうことではありません。「Yes」のフル回答ができないときでも、「No」と言うのではなく、新たなストラクチャーの提案や検討の余地があるということを求めているのです。どのような内容であれば、お互いが納得できるのかを考えながら、交渉を進めていきました。
プロジェクトファイナンスには、基本的なレシピがあります。それは、長年の年月をかけてつくり上げてきたものであり、上手く仕上がっているレシピです。しかし、基本レシピがあるが故に、でき上がる料理には、バリエーションが限られてきます。私が常に追求しているのは、付加価値という自分なりの「スパイス」を入れることです。「スパイス」とは案件組成の現場では、リスクの取り方と言えます。相手にとって辛くなり、こちらにとっては甘くなることもありますし、銀行にとって甘ければ、相手にとってまずい料理になってしまうこともあります。お互いに食べておいしい、良かったというものに仕立て上げるものが、「スパイス」=付加価値なのです。ニーズに合った自分なりの「スパイス」を加えることによって、他では出せない自分だけの味を追求し、新たなソリューションを生み出していきたいと考えています。

03

BestよりもBetterを追求するプロフェッショナルという自負を持って

私は入行後、支社に配属となり、約6年に亘って法人のお客さまを担当しましたが、そのときの経験は今でも確実に活きています。支社で法人担当者をしていた頃、多くの経営者に会い、多様な価値観があることを肌で感じました。私の今の仕事は、海外、つまり、国や文化、言語、人種、価値観が異なる人たちとのやり取りが中心です。その多様性を受け入れられる自分を形成できたのは、経営者の方々と触れ合った支社の経験によるところが大きいと思います。いろいろな価値観をぶつけていただいたことによって、自分の守備範囲、許容範囲が広がったと思います。
今後、真のプロフェッショナルを追求し、その自負を持って働きたいと考えています。本当のプロフェッショナルとなるために私が考えているのは、Bestではなく、常にBetterを追求し続けること。これが自分のBestソリューションと満足することなく、更なるBetterを追求する姿勢を大切にしています。世界を代表する真のプロフェッショナルに成長することをめざして。

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