SCROLL

堀金 哲雄

市場企画部 市場業務開発室 クオンツ開発Gr
2012年入行

金融工学+機械学習が秘める大きな可能性

専門性を軸に、先端分野にもチャレンジし
金融ビジネスの高度化を実現する。

01

入行間もなく担当した
モデル開発から学んだこと

私は入行後5年弱、金利、為替等のデリバティブ(金融派生商品)価格計算モデルの開発や、モデル特性分析、新商品開発を担当してきました。入行間もないときに主担当となった「インフレスワップ時価評価モデル」の開発は、今でも強く印象に残っています。
「インフレスワップ」は、消費者物価指数を指標としたデリバティブです。水道や電力の事業会社において、収益は基本的に物価指数に連動していることから、常に物価変動のリスクに晒されています。そのため、消費者物価指数の変動に伴うリスクをヘッジしたいというニーズがありました。文献調査からモデル作成、システム実装まで、主担当として一連の業務をすべて担うことで、モデル開発をしていく上での多くの学びがありました。
そのひとつがマーケットの価格変動要因(リスクファクター)をどれだけ取り込むかという点です。すべてを洗い出し、モデルに反映することが必要だと考えていたのですが、過剰にモデル化すると計算が不安定になりトレーディングが難しくなる、計算時間がかかるといったデメリットが生じることがわかりました。開発の際にはただ理論だけで構築するのではなく、ユーザーとなる部署とのディスカッション・検証を重ねながら、現場で活用できるモデルをつくらなければならない、ということを知りました。

02

モルガンスタンレー証券に出向し
XVAへの知見を深める

デリバティブの世界で近年極めて重要なトピックになっているのが、2022年1月から導入が予定されているFRTB-CVA(Credit Valuation Adjustment:信用評価調整)規制への対応です。CVAの他にも、自社の債務についての信用コスト(Debt Valuation Adjustment: DVA)、無担保取引にかかる資金調達コスト(Funding Valuation Adjustment: FVA)、当初証拠金を調達するコスト(Margin Valuation Adjustment: MVA)、さらには規制資本の調達コスト(資本コスト)(Capital Valuation Adjustment: KVA)など、XVAと総称されるさまざまな評価調整をデリバティブ評価に組み入れる動きになっています。欧米の会計基準では一般的となっているものも多いのですが、日本の取り組みは遅れています。私は、先進的な事例を米国で学びたいと思い、当行とモルガンスタンレー証券の人材交流プログラムによる出向を希望し、2017年1月からニューヨーク本社で2年間、クオンツとして働きました。
着任後はすぐに案件を任されました。具体的には、XVAのPL予測精度の向上、FRBによるCCARストレステストのXVAパートの計算、Funding curveの精緻化などを担当しました。
出向という身でしたが、トレーダー、クオンツ、財務、法務各部署の人と協働しながら社員と同様の裁量を与えられて開発を推進することができました。XVAについての知見を深めることができたのはもちろん、三菱UFJ銀行への入行以来、日本で培ったスキルの高さ、経験の深さを改めて実感することができた2年間でした。

03

市場業務、銀行業務全体の高度化に
貢献していきたい

2019年1月に帰任しXVAの開発を進めています。モルガンスタンレー証券での経験は私の大きな財産になっていますが、クオンツとしての力量に大きな差があるとは感じませんでした。ただ、ITやシステム開発に対する投資や取り組みには、米国に学ぶべきものがあると思っています。たとえば日本ではクオンツといえばデリバティブの専門家という認識ですが、米国の金融機関では、トレーディングやデリバティブの部署に限らずクオンツ(ストラテジストと呼ばれています)が、さまざまな部署に存在しています。ITとトレーダーやセールスがクオンツを通してつながっているので、デジタライゼーションや業務効率化が進んでいきます。日本でもデリバティブに限らず、銀行業務全体において活躍できるクオンツを育成し、それを活用した業務推進が必要だと感じます。私自身、従来の金融工学と最新の機械学習の知見を組み合わせ、デリバティブビジネスの高度化にとどまらず、市場業務、銀行業務全体の高度化に貢献していきたいと考えています。FT関連業務はデリバティブに限らず、リスクマネジメント、CPM(Credit Portfolio Management)、 ALM(Asset Liability Management)と多岐にわたり、今後も広がり続けます。数理、プログラミング両方がわかる人材として、大きな技術変革、ビジネス変革に直面している金融ビジネス高度化を牽引していきたいと思います。

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