MY JOB
金融市場部戦略トレーディンググループで、当行の自己資金により金融商品を売買するプロップトレーディングを行っています。株式・金利・為替・コモディティなど、幅広い金融商品を取り扱いながら、当行の収益最大化をめざします。当部でプロップトレーディングに従事して以来、12年無敗を記録。2022年に市場部門のセールス&トレーディング領域における史上最年少次長に就任し、チームの人材育成にも注力しています。
正しいリスクを選び取り、変革と挑戦を体現できる組織へ。
金融商品を網羅的に扱う、トレーディングのスペシャリストチーム
一般的なトレーディングチームが「株」や「為替」など、一部の金融商品に特化して取引を行うのに対し、私が所属する金融市場部戦略トレーディンググループでは、さまざまな金融商品を網羅的に取り扱います。国内外の株や為替、コモディティ、それらに関連するデリバティブ商品など、幅広い商品の売買を行うため、あらゆる知識が求められます。各国の政治や経済、相場環境、主要国の中央銀行や要人など、世界中の動向がマーケットに影響を及ぼします。こうした膨大な情報をチームで分担しながら、それぞれの分析結果をチーム全体で議論し、最終的に各個人が戦略を考えます。
トレーダーは絶えず情報を分析しながら学び続ける仕事であり、それを楽しいと思える人しか務まりません。私自身、仕事をするうえで、常に知的好奇心を持つことを心がけています。マーケットが大きく変動した際も、目の前の損益をただ案ずるのではなく、なぜそのように動いたのか、純粋に「知りたい」という気持ちを大切にしています。そうした姿勢を持ち続けた結果、プロップトレーディング（※1）を始めて以来、12年間、半期ベースで一度も負けたことがありません。チームや個人の分析力と経験に加え、マーケットの変化そのものを楽しむ気持ちが結果として記録につながっていると感じます。
※1 プロップトレーディング：金融機関や投資会社が、自社の利益を最大化するため、自己資金を用いて市場取引を行うこと。
世界経済のダイナミズムを最先端で体感できる
この仕事の一番の魅力は、世界経済のダイナミズムを体感できる点だと思います。マーケットは世の中の変化にいち早く反応するため、値動きを通してリアルタイムで世界の動向を把握し、先行きを予測することができます。例えば、朝一番にマーケットが激しく動いていた場合、ニュースを調べると、日本時間の夜中にアメリカの大統領がSNSで発言していた、というケースがあります。今後、大統領が在任中にどのようなことが起こるのか、世界情勢や大統領の言動からあらゆるケースを予測し、導き出した答えをトレーディングに反映します。自分の考えが正しかったかどうかは損益としてすぐに結果に表れるため、さらに分析と予測を繰り返していきます。こうして1回のトレーディングを一つのプロジェクトとして何万回とPDCAサイクルを回す中で、知見と経験値を高めることができます。
さらに、そうした仕事の成果が年次に関係なく個人の実績として評価される点もトレーディングの特長です。以前、私より20年以上キャリアが上の先輩に収益額で勝ったことがありました。私自身とてもうれしかったのですが、大ベテランに勝った私を会社が評価してくれたことも印象的です。こうした点において、トレーディングはスポーツとよく似ています。若くして頭角を現しやすい世界であり、チームも優秀な若い方の存在を歓迎します。実力主義である以上、結果が出なければ厳しい面もありますが、若い方の成長を積極的に後押しし、チーム全体で成長していこうとするカルチャーが根づいています。
トレーディングの本質は、リスクを選び取ること
メガバンクは現在、グローバル潮流や金融規制、業界の再編などの影響により、存在意義が問われています。時代の急速な変化に伴い、お客さまのニーズが多様化し、従来の銀行ビジネスだけでは通用しなくなっています。その中で、MUFGは近年、「変革と挑戦」というメッセージを打ち出しています。長年トレーディングに携わってきた私が思うのは、「変革と挑戦」を実行するためには、「リスクを選び取る」姿勢が不可欠だということです。もしリスクを取ることを恐れ、新たなアイデアや戦略を取り入れないのであれば、そのこと自体が銀行にとって大きなリスクとなります。ゆえに今後私が挑戦したいことは、当行に「リスクを選び取る」というカルチャーを根づかせることです。トレーディングとは、突きつめれば売り買いを通してリスクを取る仕事です。正しいリスクを見極め、選び取った結果が収益となり当行の成長につながります。行内のあらゆる領域において、取るべきリスクを正しく見極められる人材が増えれば、従来のビジネスモデルや慣行にとらわれない、新たな銀行のあり方が見えてくるはずです。まずは私たちのチームからマーケット部門へ、そして最終的にはMUFG全体へ、そうした人材を一人でも多く輩出することで、「変革と挑戦」を体現できる組織づくりに貢献したいです。
