銀行が企業に融資をするときは、
過去の業績や財務状況がわかる
書類を
読み込んで経営状況を分析し、
融資したお金がきちんと
返ってくるか
どうかを判断します(与信判断)。
当然ですが、スタートアップ企業は創業後、
間もなくは赤字のことが多く、
事業の見通しも不透明なため、
既存の与信判断での融資は難しい。
東南アジアではスタートアップ企業が
日々うまれていますが、
デジタル技術を
活用して、日々の生活を便利にしたり、
貧しい人にも
金融サービスを届けたり、
社会全体のエンパワーメントをめざす
サービスを
届けようとしている会社が
たくさんあります。
もし、そうした会社に融資できれば、
社会的に価値のある大きな
事業の力になれる。
じゃあどうすれば融資できるのか?
これまでのやり方で無理なら、
新しい仕組みをつくる必要があります。
私の仕事はそれを探し、
実際に使えるものにすることです。
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急速に進むデジタル化を背景に、新しい与信モデルを活用するスタートアップ企業が登場しています。与信というのは「あなたを信用します」ということ。さまざまなデータをAPIで取得し、機械学習(AI)で分析することで、SaaSやE-Commerceなどこれまで与信判断ができなかった事業の安定度、将来性などが、数値の裏付けを持って判断できるようになるんです。イスラエルのフィンテック企業、Liquidity Capital社もそのような与信モデルを活用し事業化している会社でした。彼らの新しい与信モデルとMUFGが培ってきた東南アジアでのネットワークや知見を掛け合わせれば、有望なスタートアップ企業に融資できるようになるんじゃないか――。思い切った取り組みではありますが、合弁会社を設立して事業展開を行えるように、行内承認を取得し、Liquidity Capital社との細かな条件の詰めや交渉、シンガポールでの会社設立手続きまでのすべてを主担当として担い、新会社Mars Growth Capital(MGC)社をスタートさせました。
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合弁の相手が設立間もない企業だったこともあって、銀行内の関係者の説得など、難しい場面もありました。「そんな会社をパートナーとして本当に大丈夫なの?」と。でも、私はどうしてもやり遂げたかった。その原点は、学生時代に旅先で見た東南アジアの人々の暮らしにあります。衛生状態が悪く、履く靴もない……日本では想像もできない世界でした。中には銀行口座を持たず、金融サービスをまったく受けられない人もいます。このような世界があるということにショックを受けました。でも今、そういった人たちにも金融サービスを提供するスタートアップ企業や、デジタル化によって暮らしを便利にするスタートアップ企業がたくさん誕生しています。こういう企業に融資ができれば、間接的にではあれ、世界を変える一歩になると思ったんです。
金融は、社会の重要なインフラである
だけでなく、
社会をよりよいものにしていく
ことができる力を持っています。
だから有望なスタートアップ企業に、
もっとお金を供給したい。
銀行が持っているデータはまだまだ
使い切れていないし、
他のデータと掛け合わせることで、
今までにない与信モデルができる
と思います。
その試みの一つがMGC社です。
もっといろんなものを見つけて、挑戦して、
銀行自身が
自分でサービスを
進化させていかなければいけない。
私たちが変われば、世の中は変えられます。
デジタルサービス企画部はその最前線です。
ここから銀行と社会の未来を
切り拓いていきたいです。




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仕事中の息抜き方法は?
ランチの時間をしっかり取ること。在宅中でも、お昼は頭を切り替えるようにしています。
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休日は何してる?
ヨガやピラティスをしたりとか。肩こり解消に最高!
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最近ハマってることは?
睡眠。『睡眠こそ最強の解決策である』という本を読んでから、極力8時間眠るようにしています。
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入社して一番びっくりしたことは?
几帳面な人が多いこと。入社して以来、紙の端が綺麗に揃っていないと気になるようになりました(笑)
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MUFGで働いている人
ってどんな人が多いと思う?まじめでさわやか。趣味にこだわる人や意外な特技を持つ人がたまにいておもしろいです。
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座右の銘や大切にしている言葉はある?
人間万事塞翁が馬!