2001
三鷹支店・三鷹支社
営業店業務、プライベートバンキング営業業務、法人営業業務と様々な経験を積み、銀行員としての基礎力を固めました。ITの可能性に気づき、モノ作りのプロフェッショナルを目指すと決意したのもこの時でした。
2004
システム部
異動後すぐに東京三菱銀行とUFJ銀行のシステム統合プロジェクトに携わることになり、若手にも大きな活躍の場があることを実感。様々な案件にかかわる中で、リーダーシップ力、プロジェクトマネジメントスキルを伸ばしました。
2009
三菱UFJ証券出向
システム部でのシステム統合プロジェクト経験を生かし、三菱UFJ証券とモルガン・スタンレー証券のシステム統合を担当。システム開発を通じて、証券会社ならではのコスト感覚とスピードへの感度が鍛えられました。
2018
三菱UFJインフォメーションテクノロジー出向
未経験であった決済システム開発部署に部長職として着任。日本銀行との大口資金決済業務という非常に緊張感のある業務を担う中で、チームメンバーの意識改革を行い、新しい取り組みへの積極的なチャレンジを後押し。本邦金融業界初・MUFG初となるプロジェクトを立ち上げました。
2020
システム企画部 兼 国際事務企画部
インドのベンダーと協業しながらの高難易度プロジェクトを推進。MUFGの品質とIT先進国インドのテクノロジーを活用しました。グローバルで活躍するリーダーになるという入行時の目標に近づいています。
2021
システム企画部
アジアシステム室

魅力あふれるチームメンバーと共に
ビジネス戦略を支えるシステムをつくりあげる。

沢井 雅季
01.業務時間が一気に10分の1に。
営業店の現場で知ったシステムの力。
大学では数学を専攻していました。教職・SE・メーカーなどへの就職が一般的ですが、それでは普通すぎておもしろくない。もっと違う世界で理系の知識が活かせないかと思って見つけたのが銀行でした。海外の大きなプロジェクトをファイナンスの面から担ってみたいと思っていたのですが、あるときシステムの力を再認識する出来事がありました。
当時私は支店の法人営業で、得意先の融資について毎日のように稟議書を作成し、財務分析を電卓で行っていました。非常に手間がかかり「この時間を短くできれば、もっと得意先訪問ができるのに」と感じていたんです。そこにシステム部が開発した新システムの試験利用の話が届きました。今でこそ当たり前になっていますが、それは本当に革命的でした。なにしろ書類作成時間が一気に10分の1になったのです。

効果はすぐに現れました。ある得意先の社長から午前中に資金需要の話をもらい「今回の話は、当社にとって重要な案件なので、東京三菱さんの回答が出たところで判断したい」といわれ、早速新システムで稟議書を作成、午後には審査へ回しました。夕方に社長から電話があったので「ご融資の件は今審査に出しています」とお伝えすると「えっ? 君はどこの沢井だっけ?」「東京三菱銀行の沢井ですが」「嘘だろ。今朝頼んだ件だよ。タイムマシンでも使って未来から来たのか?」――そこで当行が新たなシステムを開発、デジタル化で審査に要する手続き時間が大幅に短縮されたことを報告しました。最終的に当行の提案は選ばれなかったのですが、後日「おかげで借り入れの検討が、今までの3分の1の期間で済んだ。ありがとう」と感謝の言葉をいただきました。一人の努力でできる業務効率化は微々たるものですが、システムは全営業担当者の業務を一気に改善する。ITの大きな可能性を肌で感じた私はシステム部を第一希望とするキャリア選択をしました。
沢井 雅季
02.優秀なビジネスパートナーと組み
刺激し合いながら成長していく。
システム部に異動してすぐに東京三菱銀行とUFJ銀行の統合が発表され、私はシステム統合の現場に立つことになりました。まさに学びながらプログラミングや端末の打鍵テストなどの実務を担いました。初めてのシステム開発経験でいろいろな面で苦労し、今振り返っても苦しかった思い出の方が多いのですが、業務部門・システム部門のメンバーだけでなくグループ会社の三菱UFJインフォメーションテクノロジー(MUIT)、ビジネスパートナーなど、背景の違うメンバーと協力しシステムプロジェクトを推進するのは、とても価値ある経験でした。
ビジネスパートナーは国内有数のシステム会社であり、その中でも優秀なメンバーとチームを組んでいます。ものづくりのプロフェッショナルとして誇りをもつ人ばかり。彼らに曖昧な要件を伝えようものなら「全然わかりません。もっと詰めてきてください」と突き返されます。逆にこちらも、見積もり根拠に不明な点がある場合や、進捗が遅れ原因がはっきりしない場合は、説明を求めました。彼らからさすがと唸るような意見が出ることもしばしばで、着眼点・業務知識・技術動向など、常に自分を高める環境がそこにありました。
03.証券会社への出向で学んだ
チームビルディングの重要性
システム部に異動して数年が経ったころ、三菱UFJ証券(現:三菱UFJモルガン・スタンレー証券)に出向することになりました。モルガン・スタンレー証券とのシステム統合事務局業務を担うためです。
全く想定していなかった異動で、当時非常に動揺したのを覚えています。証券業務や株式投資に明るいわけではありません。本をたくさん買い込み片っ端から読みました。覚悟はしていましたが、現場に入ると、やはり銀行とは雰囲気が全然違う。あるとき、チーム内での情報共有がうまくできていないということがきっかけとなり、険悪なムードになったことがあります。このままではプロジェクトがうまくいかないと感じ「全てをぶつける朝会」を設定しました。お互いに隠さず話す機会を積み重ねた結果、前向きな提案が出るようになりました。業務外でのアプローチですが、メンバーと富士山登頂や草野球もやりました。古いスタイルですね(笑)。しかし真剣に仕事をする間柄でも、こうした時間を共有することでコミュニケーションが活発になり、チームは一つにまとまっていきました。
04.広いフィールドとやりがい、魅力的なメンバー。
システム部門だからこそ得られたものは多い。
出向から戻った先は、MUITの日銀決済部長でした。対日銀の大口資金決済を担うとても重要なシステムを担当しており実力はあるのに、おとなしい部署という第一印象でした。良い仕事をたくさん経験してもらい、もっと活気ある部にしたいという強い思いを持ちます。そこで部員全員参加型のチームビルディングに着手。どうしたら会社にいる時間が充実していると感じるか、どういうチームなら働きやすいのか。いろいろなことを話し合い、「社内一の“イケテル”集団」を目指して全員でチームづくりを進めました。また、あえて若手だけのチームを編成。最先端のブロックチェーン技術を使った日本、タイ、ブラジルの三国間の送金を実行するプロジェクトや、ロボットを活用したBPR※プロジェクトなど、アジャイル開発手法も導入しながらチャレンジを続けました。また私自身もリーダーとしてもう一度しっかり勉強しようと思い、ビジネス・ブレークスルー大学(BBT)へ入学。リーダーシップ・グローバル経営・英語・ITについて学びました。日銀決済部在籍は1年9カ月と短かったのですが、フラットに結ばれた自信にあふれるチームをつくることができたと思っています。

営業店からシステム部門に転進して20年が過ぎました。振り返って私がシステム部門ならではの魅力だと感じるのは、次のことです。
①社会インフラを担い、銀行のビジネス戦略を支えるシステムを開発でき、一生かかっても経験しきれないおもしろいフィールドがある。②難易度が高い仕事が多く、幅広く優秀なメンバーと取り組むことができ、最先端のテクノロジーにもチャレンジでき成長できる。③実力も人間性もある人と一緒に仕事ができ、自分自身も磨かれる。特に、ダイバーシティの大切さ・可能性を肌で感じられる。
これからは情報の時代と言われています。MUFGには巨大な情報が集積しています。新しいテクノロジーを使い、この情報の山からどんなサービスをつくりあげるのか、システム部門こそ金融の未来を先頭に立って開拓する存在であると確信しています。
※Business Process Re-engineering:業務・組織・戦略を根本に再構築すること。